認知症の症状

このページでわかること
認知症にはどんな症状があるの?


認知症にはいろいろな症状を伴います。また、これらを的確に診断することで適切なケアを提供できることとなります。診断自体は医師の役割ですが、認知症でない人が認知症と誤診されるケースが多く、適切な医療やケアが受けられないケースも多いことから、基礎知識としてご理解ください。認知症と診断されるには、以下の5つの条件が全て揃う必要があります。


記憶障害

認知症の代表的な症状は記憶障害です。記憶障害も(1) 短期記憶障害と(2) 長期記憶障害の2種類があります。

(1) 短期記憶障害
新しい事柄が覚えられないことで、記銘力障害ともいいます。

日常生活のなかで、寸前の出来事が思い出せず、同じことを何度も繰り返したずねたり、置き忘れやしまい忘れがおおくなり、いつも探し物をするなどがあり、また、今日が何月何日かも覚えられず、繰り返し日にちを聞いたりします。

(2) 長期記憶障害
以前に記憶したり経験や体験が思い出せないことです。

卒業した学校名や以前の職業、子供や親しい友人の消息などが答えられなくなります。また、常識的な事柄、例えば、5月5日が何の日かや、総理大臣の名前、太平洋戦争が始まった年などを思い出せなくなります。



抽象能力や判断力

次の4項目のうち最低でもひとつの該当がある場合に「認知症」の疑いがあります。

(1) 抽象的思考の障害
学校は何をするところ?といった単語の意味が的確に答えられなくなったり、牛と馬の類似点・相違点をいうことができない、同じ範疇に属するものを3つ以上あげられなくなる(例えば、食べ物、乗り物など)、など、抽象能力に障害があること。

(2) 判断力の障害
日常生活や職業に関連した問題を手順よく計画的に処理できないことをいいます。「財布が落ちていたらどうしますか?」「隣の家から煙があがっていたらどうしますか?」といった質問に対して、的確な答えができなくなります。

(3) 高次大脳皮質機能障害
大脳皮質の障害により起こる症状で、[1] 失語症、[2] 失認症、[3] 失行症の3つの症状がみられます。

  [1] 失語症
声帯や喉、舌などの肉体的な機能は問題がないのに、言語中枢の破壊により意味のある言葉を話そうとしても声がでない、言葉に詰まってしまう状態。

[2] 失認症
視力はあるのに、目で見ただけでは物の名前が言えず、手で触ったり匂いをかいだりすると物の名前がわかるというような対象物体を正しく認識できない状態。

[3] 失行症
手足に麻痺はないのに、目的に応じた動作ができない状態。「マッチをすってタバコに火をつける」といった一連の動作ができなくなります。


(4) 性格の変化
記憶障害の顕在化とともに、性格の変化がしばしば見られます。以前からの性格が極端化する場合と、以前の性格がなくなって全く違う人柄に変わってしまう場合があります。



日常生活の支障

記憶障害や抽象能力・判断力に障害があっても、それが、職業や対人関係などの日常生活に支障をきたしていない場合は認知症とはいいません。

軽い物忘れだけでは認知症とはいわず、これらの結果、いろいろな失敗やミスが生じたり、誰かの指示や支援がないと日常生活ができなくなったレベルになって初めて認知症と診断されます。



意識障害がない

意識清明とは、「自分の周囲の状況が性格に把握でき、状況の変化に対し適切に対応できる状態」であり、これがにごった状態を意識障害といいます。
認知症と診断されるには、意識は清明であるのに、前記の症状が出ていることが要件となります。



器質性因子が存在する

病歴や身体所見、臨床検査所見などから脳に器質性因子の存在が証明、あるいは高い確度で推測されるということです。

器質性とは、肉眼ないし顕微鏡のレベルで何らかの異常が見つかるということで、簡単にいえば、「脳の破壊が証明される」ということになります。

その例は、アルツハイマー型認知症にみられるような脳の萎縮や、脳血管性認知症にみられる脳出血の既往があるなどです。



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