認知症の二次要因

このページでわかること
認知症の二次要因にはどんな種類があるの?


認知症の一次要因による基本症状を増悪させたり、修飾する要因を認知症の二次要因(下記)といいます。この二次要因によって起こる症状を認知症の辺縁症状といい、「徘徊」「不穏」「多動」「不眠」「昼夜逆転」「弄便」「不潔行為」等があります。


身体要因

身体機能の低下や内臓の病気は精神機能に悪影響を及ぼします。逆に、精神機能の変化は身体機能を低下させます。このような関係を心身相関といい、高齢期ではこの心身の相関が非常に強く現れます。下記のような身体的悪条件で辺縁症状が起こり、認知症症状を悪化させることがしばしばです。

(1) 急性の身体疾患
急性肺炎、急性心不全、インフルエンザ、下痢、脱水など。

(2) 慢性の身体疾患
高齢者は様々な慢性的な病気を複数持っていることがあり、それらの疾患により精神機能が不活発になり実際の認知症より重く見えることがあります。

(3) 視力や聴力の低下
視力や聴力が低下すると、必然的に作業能力全般が低下し、積極性も失われ、精神的不活発をもたらし、認知症が悪化した外観を呈します。

(4) 栄養障害や水分不足

(5) 薬の副作用



環境要因

認知症高齢者が転居あるいは病院への入院や施設入所を機に症状が悪化することはよくあることです。認知症高齢者は慣れ親しんだ昔の事柄はよく覚えていても、新しいことはなかなか覚えられず、新しい環境に慣れることがなかなかできないからです。

高齢者はできる限り環境変化は避けるのが無難ですが、やむをえない転居などやむをえない場合でも、徐々に変えていく工夫や古い環境を一部でも持ち込むなどの配慮が望まれます。

例えば、なじみの家具やカーテンなどは新しい環境に持ち込むなどがいいでしょう。



心理要因

認知症高齢者は物忘れはしても、感情や感性が失われることはなく、特にアルツハイマー型認知症の高齢者は理論、理屈、損得といった考えはなくなり、感性だけの世界で生きており、健康人以上に繊細かつ純粋に感情が表現され、それだけに周囲の心理環境に左右されます。

認知症高齢者は二度童子と呼ばれることがありますが、ある意味で正しい表現かもしれませんが、認知症高齢者は決して子供ではなく長い人生経験を持った人生の先輩であり、自尊心も強く持っています。

ケアの現場でも子ども扱いするような場面を見ないわけではありませんが、そのようなときに認知症高齢者はプライドを傷つけ、不安、緊張、不満、怒り、恐れなどの感情を駆り立て、精神不安定から様々な行動障害を引き起こすことがありますので、その対応は慎重になされなければなりません。



廃用性要因

頭や体を使わないからといって認知症になるわけではありません。しかしながら、病気の結果認知症になり手足に麻痺が生じたときなどに、刺激のない環境で何もせずにぼんやりしていると外見的には認知症や身体の障害が一層悪化していきます。

つまり、廃用性要因は認知症の直接の原因(一次要因)にはなりませんが、二次要因として認知症症状に進行などにマイナスの影響を及ぼします。

在宅での介護者の多くは、認知症高齢者自身が何かしようとしても、余計なことに手を出さなくてもいいからじっとしていてほしいと、高齢者の行動をとめる方向に働きかけてしまうことがよくありますが、これは明らかに間違いです。

廃用性要因を少なくするためには、周囲の人々が認知症高齢者が仕事や精神活動がしやすい環境や条件を整え、残された昨日を見つけ出し、それを積極的にできる環境、条件を整えることが大切です。



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