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ストック
スウェーデン
ストックホルム在住

高齢社会福祉専門家
(アドバイザー)
フリーランスジャーナリスト(社会福祉専門)

1994年
コペラティブ・インステュート・Killen、「薬害とその影響について」
薬害患者を対象、実地教育も含めて、2年間の教育(教育)
1995年
ストックホルム健康大学(現、カロリンスカ病院大学)、痴呆症とアルツハイマー型痴呆症学科にて学ぶ
オーレブロー健康大学(現、オーレブロー福祉大学)、痴呆症の介護と研究学科にて学ぶ
1998年
カラーセンター、高齢者に与える色彩の影響と心理学について、(教育)
2001年
労働安全基準監督委員資格(労働環境局)取得後2006年まで勤務
90年代から高齢者施設にて実習体験教育指導等、また福祉視察の通訳、翻訳等をするかたわら、日本各地にてスウェーデンの高齢者福祉、介護、認知症関連の講演をしている。

スウェーデンからの便り
福祉の最先端 北欧のストックホルムから、認知症についての考え方、対応方法、その環境についてお届けいたします。

スウェーデンの「低負担」介護とは
身体的負担を和らげるには・・・

スウェーデンの認知症高齢者福祉施設では、リフトなどのいろいろな介護補助器具が積極的に使用されています。

高齢者を車椅子やベッドからの移動など、介護時にかかる腕や腰等への身体的な負担をかけないために活用しています。つまり介護にともなう職員の労災防止です。

日本の施設や家庭では多くの介護者は女性であり、しかも背丈の低い人が多いです。最近では介護保険により福祉用具をレンタルし、在宅でもベッドを使用している家庭が多くなりました。しかし、畳の上に布団を敷いて介護している家庭もあると聞いています。

日本の介護者は、スウェーデンの職員よりも体格などの違いもあり、身体にかかる負担が大きいのです。しかし、スウェーデンのような介護補助器具を用いない理由として、「時間がかかり面倒だ」とか「いちいち補助器具を移動して室内に運ぶのが面倒だ」と説明します。

そして結局、足腰や腕への疲労が重なり、日常生活へも影響が出てきます。精神的にも身体的にも疲弊し、病気になり労災となっているのです。

精神的負担を和らげるには・・・

特に、在宅介護では身体的および精神的負担を少なくするように、努力することが必要です。少しでも負担を少なくして、楽に仕事ができるようにすることが大切です。これはもちろん介護を怠けるという意味ではありません。在宅介護をしている人たちは、日常の介護と生活に追われて、正しい介護の仕方、認知症高齢者への対応の仕方を知らない人が多いのです。介護保険をどこで申請し、どのようなサービスが受けられるのか、経費はどのくらいかなど具体的に知りたい情報の入手方法すらまだまだ分からない人たちもいます。

さらに、家庭に認知症高齢者がいることを隠したり、認知症をよく思わない親戚によるいじめなどで苦労している人もいまだ多い現状があります。

これらは正しい情報を得て、認知症を理解することにより解決できます。

逆に、あまり必要のない多くの情報は、何をどのように信用していけばわからなくなり混乱します。
介護者は今一番必要な情報が何かを、整理する必要があるのです。

そうした問題を解決するためには、まず、地域にある認知症相談室や地域包括支援センター、同じ問題を抱えている「家族の会」などがないかを知ることです。

介護体験のある人達の同じ悩みや話は、どんな資料を読むよりも貴重な情報となります。

また、時には近くの施設を訪問して、介護職員と話をしたり、いろいろな意見を取り入れて介護を試みることも必要です。コーヒー飲み、菓子を食べながら雑談することにより、仲間意識を持ち、お互いが助け合い、介護の仕方の情報を得ることもとても重要なことです。

今後は家庭で利用できる補助器具や、設備について記載していきます。

(認知症ねっと管理人より)
認知症介護の悩みを抱えていらっしゃる方は、ぜひ「認知症相談室」をご利用下さい

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スウェーデンからの便り No.15 2010.8.29
高齢者看護および介護は、税金の負担が多い・・・

スウェーデンでは、社会サービス法という法律にて、精神および身体的障害を持つ人たちだけでなく、高齢者等皆が平等に看護、介護を受ける権利を有すると保障されています。さらに、県やコミューンが、すべき役割についても記載してあります。

しかし、最近の経済不況の影響により、政府は税金の節約を余儀なくさせられています。特に、一番影響を受けているのが、学校教育と福祉の分野です。

9月には、県、コミューンそして国会議員の総選挙を控えています。高齢者の投票を確保するために、急に年金者の税金問題、医療・介護問題等、様々な公約をマニフェストとして発表しています。
しかし、これまでにも、選挙が終わるといつのまにか障害者も高齢者も忘れ去られていきます。
誰かが「約束と違う・・・」と声を上げても、経済事情で他の問題を優先しなければならなくなったと、言い訳をします。

その点は、どこの国も政治家も同じだなと感じます。

民営化が進み、公立の施設と民営の施設は、お互いに競争するようになりました。ですが、すべての資金は税金から出ているため、どちらの施設も、結局は経費節約を余儀なくされています。

そのような状況の中で利益が出た場合には、公立施設では施設に返還されるため、修繕や部品の費用に充てられます。しかし、民営施設では、利益の追求が基本となるため、施設に再投資されることなく、結局、株主たちの配当金として分配されるのです。

その点において国民は、高い税金を支払いながら、なぜ民営企業に税金で儲けさせる必要があるのかと疑問を持っています。
そのような疑問に対して政治家たちは、企業側の考えについていますから、少しも改善されることはありません。
結局、民営施設では人員削減により職員の手がまわらなくなると、手間のかかる高齢者を薬漬けにしてしまうことになり、必要の無い薬を何種類も飲んでいるといった状況になっています。

本当にそうした薬が、全て必要なのかは大変に疑問に思うところです。

この際に一番危険なのは、飲み合わせの問題です。一緒に服用することによる有害作用の発生です。
病院や地域診療所の医師は、本来、患者の内服薬を確認して、不必要な薬の投薬を中止したり、種類や量を少なくするなど、適切な診断のもとに患者を見守るべきだと思いますが、多くの患者を診察している現状から、確認が困難の状況になっています。
実際には驚くほど多くの薬を服用しています。儲けるのは医薬会社のみです。税金は正しく有効には活用されていません。

日本でも同じような問題を抱えているのではないでしょうか・・。

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スウェーデンからの便り No.14 2010.8.2
高齢者生活を有意義に楽しく過ごすには・・

スウェーデンの高齢者たちの生活を少し紹介します。
健康を維持することは、長生するためだけでなく、現在を楽しく有意義に過ごす意味においても、とても重要なことです。認知症などの病気が発生しても、可能な限り体を動かすことが大切です。
しかも健康な高齢者であれば、スパ(軽い運動などをして健康維持するトレーニングの場所)などの軽い体操に参加したり、散歩やジョギングなども健康維持に大変効果があります。

スウェーデンでは、7月末に世界高齢者水泳大会が、ヨーテボルグという南部地区で開催されました。
日本から参加した74歳の女性を含めて、世界27か国の男女約6500人が集まり、25メートルの競泳用プールなどで各種水泳競技が催されました。
彼女らは、大会に優勝するのが目的ではなく、高齢になっても健康を維持し、生活を楽しく過ごしたいという目標を持った人たちなのです。
そして、いろいろな国の人たちと会い交流することも最大の楽しみだとも言っています。

参加者の中には、41歳で北京オリンピックに参加し、シルバーメダルを獲得したアメリカの女性がいました。スウェーデンからは64歳の女性が背泳で優勝しています。女性ばかりではなく、高齢の男性も多数参加しています。その中には93歳の人もいました。彼は、若い時にはよく泳いでいたが、その後しばらく水泳を止めていたと言います。しかし、70歳になってから再チェレンジし、今では週に3回プールに通っており、とても93歳とは思えない健康な笑顔で参加していました。

この大会は年代別にクラス分けされており、クラス毎に水泳距離が設定してあるため、競技ではありますが、ほとんどの人は入賞することが目標ではなく、みんなと一緒に参加することがとても楽しいと言っていました。
泳いでいる時の真剣な顔、そしてゴールまで泳ぎ切った後のとても満足な顔、笑い声の絶えない大会でした。

この大会では、クラスによっては毎年新記録が更新されています。この水泳大会をみていると、高齢者はどこにいるのかと感じます。

ストックホルム市内で、シニアクラスを対象としたスパクラブが10か所以上あります。本人の体力に合わせた様々なコースが設定されています。
各コースともに定員は100名ほどですが、いずれのコースも毎回満員となります。健康を維持し長生きしたいという気持ちは誰も同じで、手足のみを動かしている人もいれば、腕立て伏せまでしている人、それぞれのレベルに合わせて、自分のできる範囲で活動しています。

健康が何よりだと思いませんか。

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スウェーデンからの便り No.13 2010.7.2
日本で紹介されているスウェーデンの高齢者福祉に関する内容を読むかぎり、スウェーデンの高齢者は恵まれた福祉のもとで、とても幸せな老後の生活を過ごしているように理解されているのだと感じます。

 本当にスウェーデンの高齢者は、幸せな老後生活を過ごしているのでしょうか。 確かに、年金の多い高所得高齢者達は、老後の生活にも経済的余裕があります。 外国旅行やヨットでのクルージングを楽しんだり、サマーハウスを所有しゆったりと夏休みを過ごすなど、豊かで恵まれた年金生活を過ごしています。  

 しかしその反面、主婦の多くは、子供が手を離れてから働き始めるために、年金納入に必要な納税期間(最低40年間)を満たすことができません。そのため、高齢者になっても最低の年金保証額で生活をしていますから、旅行どころか、遊びに行く場所もなく、一人公園のベンチに座り、誰かが声をかけてくれるのを待っていたり、芝生に遊ぶ小鳥を眺めるなどして過ごしているのです。 このように一人さみしくアパート生活を送っている高齢の女性達は、少なくとも日本で紹介されている幸せな老後生活を過ごしているとはいえないのです。

 何も障害が無く、ある程度自立した生活をしている人たちは、在宅介護の必要性もないため、訪問する人もなく、会話の無い孤立した生活を強いられています。 また、以前、要介護の高齢者たちが入居していた24時間職員が勤務していたサービスハウスも、経費節約で廃止されたため、廊下を通りながら「元気ですか?・・・おはようさん」などと声をかけてくれていた職員もいなくなりました。

ただの高齢者アパートと化した建物内で、時々だれかが通らないかなと、ドアを開けて覗く高齢者の、誰も居なくて寂しげにためいきをつきながらドアを閉めて、部屋にもどる姿を見ていると、たとえ個室で設備はよくても、いつも壁に向かって一人寂しく食事している生活は本当に幸せなのかと思います。

 時には、昔の日本の井戸端会議のように、多くの人が集まりワイワイ騒いでいる場所の方が、孤立した生活から解放されて生きていることを実感でき、幸せではないかと思うことがあります。 日本でも近年、東京などの大都会で誰に知られることもなく、アパートで寂しく死んでいく高齢者がいると聞きます。老後の生活の幸せとは何だろうかと考えます。

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スウェーデンからの便り No.12 2010.5.24
寒さが厳しく長い冬のスウェーデンでは、春先になると多くの人が疲労感を訴えます。冬の間、十分太陽に当たることができない日光不足が原因とされています。

 日光不足とは、太陽によって体内で生成されるビタミンDが不足する状態であり、それが長期にわたると疲労感が増してきるのです。スウェーデンでは、冬の間、午前10時頃に太陽は昇りますが、うす曇りの状態が続き、午後3時過ぎには暗くなってきます。そのため、天気の良い日には、公園のベンチやバス停などの野外、建物内の日当たりのよい場所など様々な場所で、少しでも太陽の光を浴びようとしている光景をよく見かけます。職場の休憩時間に、寒い野外で空を見上げている社員たちも多いです。
 つまり、帽子や手袋などで紫外線を浴びないように予防している日本人とは正反対の行動を取っています。  

 今年のスウェーデンの冬は、特に何十年かぶりの大雪となりました。道路が凍りつき転倒の危険があるので、高齢者施設に入居している高齢者だけでなく、在宅の高齢者達も、よほどの用がないかぎり外出をしませんでしたが、外出した者の中には、靴底に装着する滑り止めの金具を付けずに、固い氷に足を取られて転倒し、骨折や怪我をした者がとても多くいました。
 そのため、病院では、高齢者だけでなく、子供から大人までの多くの骨折者の対応により、通常の診療が出来ずに、パニック状態になりました。

 骨粗鬆症になりやすい高齢者達は、特に、日光不足を予防するために、ベランダに出たり、車椅子で外出するようにしています。しかし、経費節約で職員の人員整理が続く多くの高齢者施設では、高齢者と一緒に外出する時間はありません。社会庁は、このような現状を重視して、高齢者が少しでも太陽に当たることが出来るように外出させるべきであると指導していますが、現場では、ほとんど不可能な状態です。

 太陽の光の恵みは、高齢者たちにとって、健康を保つための栄養剤と言えますが、残念ながら、春にはとても疲れている高齢者の姿を多く見かけます。

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スウェーデンからの便り No.10 2010.1.21
私が、現在行っている認知症相談では、入院後に認知症が進行した、施設に入るのを嫌がるなどの相談が数多く寄せられています。

 今回は、日本の認知症の医療施設を訪問して、何時も感じることについて、お話しましょう。まず気になるのは、認知症患者を受け入れている施設にもかかわらず、その疾患や障害に対応した設備や準備がなされていない点です。場所によっては、入居者の精神的影響を無視しているのではないかと疑いたくなるような施設もあります。ほとんどの病室は白く単調で、壁には絵画ひとつ飾っていません。同室者との間はカーテンで仕切られているだけですから、いびきや会話、唸り声などが全て聞こえてきます。ゆっくりと落ち着いて病気を治す場所とは思えない、プライベートがほとんど守られていない状況です。

 これでは認知症患者だけでなく、疲労やうつ病の人たちも、入院すればなおさら症状が悪化してもおかしくはないと思われます。

 また、医師や看護師は、診察などの必要な時にしか認知症患者の病室を訪問しません。ただでさえ孤立して不安な認知症患者は、話し相手もなく、一人部屋に閉じ込められれば、益々孤独になってしまいます。ですから、寂しくなったり、嫌がって逃げ出したくなったり、落ち込んだりするのは当然なことだと言えます。
 そのような状況では、本来それ程認知機能が低下していない高齢者であっても、認知機能障害にならない方がおかしいと思われます。認知症患者に対する精神的な対応策を検討し、実施する前に、薬漬けにして症状を改善しようとする治療方針には、理解しがたいものを感じます。

 スウェーデンでは、高齢者が一時的に入院する病室は、個室になっています。壁には絵画がかけられ、窓には花が飾ってあることが普通なのです。ラジオも自由に聞くことも出来、少しでも日常生活に近づけるように環境を整える努力をしています。

 日本と同様に、初めて施設に入所する障害者は不安であり、入所に抵抗を感じています。自分もここまで駄目になってしまったかと感じていることも多く、まずは孤立化を防ぎ不安を取り除くことが必要です。また、認知症高齢者が入居しているグループホームなどの高齢者施設では、一部の例外を除き、全て個室になっています。

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スウェーデンからの便り No.9 2009.9.15
世界的な不況の影響をうけ、日本国内も会社の人員整理、倒産などによって失業者が増加していると聞いています。

 スウェーデンでは当初、他国に比べ不況の影響はそれほど大きいものではありませんでした。しかし、今年に入り倒産や失業者の急増によって、コミューンの税収入も大打撃を受けています。そして、その減少に伴う対策の第一優先は「教育」と「福祉」となっているのです。

 高齢者たちへの介護内容もいろいろと制限されるようになりました。以前、散歩に同行してくれていたホームヘルパーたちも、出かける時間すら持てなくなり、在宅サービスの質も低下したと言われています。
 また、町に買い物に出る高齢者たちの姿も少なくなってきました。元気な高齢者の中には自分の生活リズムを保ち、公園を散歩したり、ショッピングセンターを歩いている人もいますが、多くの高齢者は、歩行困難などさまざまな理由から一人で外出するのが不安になり、その回数も少なくなっています。

 スウェーデンでは、子供を若い時から「早く独立しなさい。」と、追い出す習慣があります。そのため、親が高齢になっても、子供たちは遠くに住んでいたり、所帯を持っているために訪問回数も少なく、なかなか一緒に外出する機会などありません。 また、独身の高齢者では、近所の友人たちも高齢のため亡くなったりしていますから、近くに話し相手もいません。
 そのため、多くの高齢者は話し相手が欲しくても、自分から声を掛ける勇気はないために、部屋に閉じこもっているか、外出したとしても公園のベンチで一人寂しく座っているのです。

 コミューンは、そうした閉じこもり高齢者を少しでも外出できるようにすべきだと狙いをつけ、「呼びかけ運動」を始めました。「呼びかけ運動」とは、1日の内1時間でも、一人で外出できない高齢者に付き添い一緒に散歩したり、話し相手になるボランティア活動のことです。現在、このような健康な高齢者によるボランティア活動が積極的に行われています。
 コミューンは、一切資金の援助をしませんが、そのかわり連絡方法のわからない高齢者たちに対して、電話窓口を設け、地域に住んでいる話し相手を紹介してくれます。お互いに電話をかけて気が合うと、会う時間と場所を決めて、健康な高齢者が付き添いとして同行してくれます。日本でもお隣さん同士、声掛け合ってはいかがですか・・・。

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スウェーデンからの便り No.8 2009.5.10
スウェーデンの人たちが、暗く長くそして寒い冬の後に心待ちにしているのは、暖かい春の訪れです。

 冬は夜が長く曇りの日が多いために、どうしても太陽に当たる時間が少なくなりますから、それに伴うビタミンの不足がとても深刻な問題となっています。
 高齢者ではくる病にかかりやすく、また、体力が減退するために転倒の危険が大きくなります。健康な人でも長い間太陽の恵みを受けなければ、2-3月頃にとても疲労を感じるようになるのです。
 冬の間、太陽が出ると停留所や公園のベンチで、よく空を仰いでいる人を見かけます。少しでも多くの時間、太陽の光を身体に浴びようとしているのですが、日本のように日焼けを防止するのとは、全く反対の光景が見られるのです。

 長い冬に、施設や自宅の部屋に閉じこもりがちな高齢者にとって太陽に当たることは、健康維持にとても大切なことです。しかし、家族は介護に疲れ、子供たちは仕事をしているために、親の外出の手助けができません。また、施設では経費節約で職員の人員整理が続き、高齢者と外出する時間を持つこともできません。そのため、スウェーデンでは何か月も外に出たことのない高齢者が増加しているのです。

 そうした長い冬の生活にピリオドを打つ、春の訪れを国民に告げる行事が、ヴァールボルグスメッスアフトンと呼ばれ、毎年4月30日の夕方にスウェーデン全国で行われます。
 子供や若い人たちだけでなく、大人や高齢者たちもとても楽しみにしている催しです。昔、日本で子供のころにしたとんど焼きのように、枯れた木を集め、それを重ね、夕方になると火を点けて、燃え盛る木立の周りを歌をうたいながら踊るのです。

 ちょうどこの日は国王の誕生日のため、王宮には大勢の人たちがお祝いに集まります。車椅子に乗ってきた人や、家族や介護者に手を引かれて来た高齢者も多く参加しています。その内、100人以上の子供たちが直接国王に花を手渡し、お祝の言葉を伝えます。そして、国王は、一人一人の子供に声をかけてお礼を言われるのです。
 ハッピーバースディの歌を唄うなか、国王一家は笑顔で国民に手を振られます。
 こうしてスウェーデンの国民は、待ちに待った夏を迎えるのです。
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スウェーデンからの便り No.7 2009.3.17
世界的な不況の波は、高福祉社会といわれているスウェーデンにも、少しずつみられています。

世界的に有名なボルボやサーブなど自動車会社の営業不振による社員の人員整理が報道されるなか、下請け工場もその打撃を受けています。ある小さな地方では、コミューンの税金による収入源であり、地域住民の生活を守る唯一の職場であった自動車会社の下請工場が、ついに倒産しました。そのため、 若者だけでなく、同じ工場で働く子持ちの夫婦たちは、新しい職場の当てもなく、明日からの生活に希望さえも失いつつあります。当然コミューンの税金収入も激減するため、早急に税金対策を検討しなければなりません。その対策として、最初に学校教育、社会福祉、特に高齢者福祉がその対象となりました。 さらに、低年金者の多い田舎では、高齢者施設、グループホーム、デイケアーセンター、ホームヘルパーなどの補助金も節約されるようになりました。

仕事が無いために、若者たちは地方のコミューンから都会へと離れていきます。コミューンにとっては、さらなる税金収入の減少につながり、益々追い討ちをかけられています。

そのような状況においても、高齢者は生きていかなければなりません。その代わり、若者たちが休日の土日を利用して、孤立した生活を余儀なくされている施設の高齢者を、積極的に訪問するようになってきました。地域によって若者たちは、高齢者と地域の歴史やカルチャーなどの話をすることにより、学校では学ぶことのできない多くのことを知ることができると、施設の訪問を楽しみにしています。
 
スウェーデンは基本的には、高い税金を国に納めていますから、国が高齢者の将来の面倒を見るべきだという意識があり、これまでボランティアはあまり活動をしていませんでした。しかし、若者たちが施設で活動する日は手当ての一部として、コミューンが施設内の食堂で高齢者と一緒に昼食が食べられるように、昼食を無料提供をするようにしています。

もちろん、一番喜んでいるのは、施設に入居している高齢者たちです。不況の時の高齢者福祉対策も、アイデア次第だと思いませんか・・。
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スウェーデンからの便り No.6 2008.12.9
スウェーデンのクリスマスはとても静かで、家庭でみんなが揃ってお祝いをします。クリスマスイヴとクリスマス当日は街を歩く人もまばらで、ほとんど人通りがなくなり、地下鉄もがら空きになります。

高齢者施設に住む人達にも、同じようにクリスマスは訪れます。クリスマスは、高齢者にとって、一年のうちでもっとも大切で特別な日でもあるのです。

クリスマスの準備は、4週間前から始まります。
その期間で最も重要な日は、クリスマスのちょうど4週間前に当たる最初の日曜日です(今年は11月30日でした)。神仏が天から地上に降りることから「降臨節(こうりんせつ)」と呼ばれており、また、4本あるローソク(写真を参照してください)の最初の一本を灯す日でもあります。
スウェーデン全国の教会では、朝早くから一日中、ミサやコーラスなどの歌が唄われ、オルガンのメロディーが各地から聴こえてきます。

この日だけは、普段教会に行かない人たちも教会を訪れる、キリスト信者にとってとても清麗で大切な日となっています。


そして、ようやくクリスマスを迎える準備ができます。
 
各家庭や高齢者施設、また会社の事務所や官庁の窓などには、写真にあるような7本の灯火のある電灯が点り、きれいな光を投げかけています。





また、違う窓には、星の形をした電灯が飾られます。

このような電灯が部屋に飾られることにより、普段、退屈な施設で生きている高齢者たちは喜びを感じ、早くクリスマスが来るようにと毎日のように楽しみにしています。



クリスマス前の12月13日の土曜日には、ルシア祭があります。 朝早くから白い服を着て、ローソクを灯した冠を付けた女性の後に、子供や若者たち数人が手にローソクを灯して列をなします。

地下鉄やローカル電車、バスの中、そして事務所から道路まで、その列はサンタルシアの歌を唄いながら歩いていきます。
学校や事務所ではルシアの列が来ると、すべての部屋の明かりを消して、ローソクの光りと歌を待ちます。

ホテルでも、この日だけは事前に訪問の連絡が入り、ローソクを手にした列が歌とともに各客室を訪問するのです。  


もちろん首を長くして待っている高齢者の施設にも、そのルシアの列は歌を唄いながら訪問してくれます。

施設の中をうす暗くして待っていると、ローソクの光りが静かに歌とともに進んできます。清麗な雰囲気に包まれた列を前に、高齢者たちの眼は生き生きとし、笑顔が絶えません。一緒に歌を唄う人もいます。



重度の認知症高齢者の人でも、このローソクの光りを眺めサンタルシアの歌を聴けば、男女関係なくほとんどの人が歌詞を思い出して口ずさみます。ある意味これほど良い回想法は、他に見られません。 

そして、今年もスウェーデンは、ローソクの灯に彩られた静かなクリスマスを迎えることでしょう。
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スウェーデンからの便り No.5 2008.11.27
スウェーデンには、日本のような四季はありません。
寒くて長い冬の後、2週間ほどで夏になります。太陽が昇るのが午前2時、日が沈むのが午後10時頃と、一日がとても長い夏が半年近く続きます。そして、秋が来て紅葉が始まったなと思う間もなく2週間ほどで冬に入るのです。冬は、太陽が昇るのが午前10時、日が沈むのが午後3時頃と、とても一日が短いです。
そのような寒くて暗い冬が半年続くため、やる気もなくなってしまいます。そのため、冬は多くの人がうつ状態になりやすい時期もあり、高齢者施設に住む人達も例外ではありません。そうした気持ちを明るくさせるには、色彩と照明が大きな役割を持ちます。

最近になって、日本でも認知症高齢者と色彩の関連について、興味を持つようになってきました。一部の人が既に、関連した書物を書いているようで、とても良い傾向だと思います。

しかし、書物を拝見すると、著者の多くが普通の色彩専門家やカラーセラピストのようで、認知症を専門的に理解している人が書いているものはあまり見かけません。あくまで健常者の立場から、観察しているように思われます。
私は長い間「認知症と色彩の関係」について勉強してきました。特に、日常生活における、色彩や照明の認知症高齢者に与える精神および心理的影響について観察しきました。

ほんの少し照明方法を変えたり、色を応用することで、施設に住む高齢者たちの気分が大きく変化することがわかっています。

その一例として、先日、食堂のテーブルに色付けをして変化をもたらす試みをしました。
写真のように、テーブルの上に長いクロスをかけ、さらに食器の下に赤いランチョンマットを用意しました。これで食器の色が浮かび上がるようになり、視力の落ちている高齢者にもはっきりと食器が眼に入ります。


きれいな色のクロスを見つけた高齢者は、「ワァーきれいだね…。」と、テーブルに着いた時にその食器に興味を持ちます。

いつもより少なめの料理をお願いして、食事をしていただきました。色彩の誘惑に負けたのか、いつも食事を残している人も、当日はきれいに全部食べてくれました。色彩が本人の食欲をもたらしたのです。「今日は全部たべちゃったね…。おいしかったですか。」と声をかけると、「うん、全部たべちゃったよ…。」と本人はとても満足そうでした。
いつもより少ない量ですが、大切なのは本人に食欲が出て、自ら食事を食べようとしてくれることです。これで食事面での介護の目的は、ほぼ果たしたことになります。


廊下も写真のように、間接照明をうまく利用して明るい廊下にすれば、高齢者も安心して歩くことができます。

明る過ぎは目に眩しく、バランスをなくして転倒する原因にもなりますから、目にやさしい間接照明にすると効果的です。
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スウェーデンからの便り No.4 2008.10.02
サイト内の「認知症相談室」の掲示板を読んでいますと、高齢者に対し、治療の一環として数多くの薬が投与されていることがよく分かります。

薬は、確かに認知症の進行を抑えるなど治療としての効果がありますが、場合によって、薬害または症状の悪化、他の病気の発症などいろいろな問題も生じています。日本国内でも、まだ、どの薬が認知症のそれぞれの症状に効果なのか明確ではありません。

現在、スウェーデンの病院や高齢者施設などで診察している認知症専門医でも、様々な問題を抱えています。

残念ながら一部の高齢者施設では、精神障害の治療、改善の目的でなく、昨今の職員不足による十分に目が行き届かない介護状況をカバーするため、数年前のように精神安定剤を投与して高齢者を寝かせたり、静かにさせることに利用されている場合があります。

そして、それが逆効果となり、必要以上に本人の病気を悪化させてしまう実例も時々報告されています。
 

統計的に見ますと、高齢者への処方は、薬の種類とともに投与量も多くなっており、高齢者によっては何種類もの薬を同時に飲まされている者もいます。社会庁は、投薬について十分診察し、適切な薬と量を患者に処方するようにと警告を発しています。

スウェーデンでは昨年だけで、45,000人におよぶ75歳以上の高齢者が、リスペルダール日本ではリスパダールと言います(Risperdal)、ズイプレッア日本ではジプレキサと読みます(Zyprexa)またはハルドール(Haldol)などの抗生物質??(抗精神病薬のこと?)精神安定剤が処方されていました。これらの多くは、本来精神病患者や一時的なうつ病患者に処方されている薬で、精神病薬???精神安定剤です。


ある認知症高齢者施設では、10人の内4人の入居者が精神安定剤を飲んでいましたが、この数字は、毎年増加の傾向にあります。

そして、調査によると、これらの薬を飲んでいる認知症高齢者の死亡する危険率は、薬を飲んでいない認知症高齢者よりも3-4倍高く、更に、脳梗塞に罹ったり、転倒する割合も高いなど、薬害も多く発症しています。身体は硬直しやすくなるために動きが鈍くなり、コミュニケーションが難しく、記憶も低下していくと、報告されています。

認知症専門医は、高齢者と介護者がコミュニケーションの時間を持ち会話する方が、薬と比べて高齢者も落ち着き、精神的にも安定して良いと指導していますが、現在多くの施設では、経費節約から職員数が全体的に不足しており、介護にかかわる時間も少ないことから、薬に頼る傾向が強くなっていると指摘しています。

また、社会庁高齢福祉課は、薬を処方する医師も、認知症高齢者の日常の生活行動を十分観察していないため、職員からの投薬による行動や精神的な変化の報告書を読んでいても、あまり重要視せず理解していないと、問題を指摘しています。

高齢者によっては、薬の投薬を止めると、体調が良くなり元気になって、記憶力も戻り、コミュニケーションも以前に比べ良くなることもあります。投薬の必要性を見極め、必要以上に薬に頼る介護方法を改善することが必要ではないかと思います。
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スウェーデンからの便り No.3 2008.08.07
毎日、認知症サイト内の「認知症相談室」に寄せられる皆さんからの相談内容を読んでいますと、日本の認知症高齢者に対する介護福祉対策は、非常に遅れていると感じます。

また、地方自治体は、認知症高齢者の状況を十分に把握できていないように感じます。そして、病院においても、医師によって診断結果や処方される薬の種類が異なるなど、認知症に対する医療のシステム化が立ち遅れている感じがします。

それらの原因は、いろいろとあると思われますが、その一つに個人情報保護法による情報の制限が影響しているのではないかと思います。例えば、高齢者が異なる二つの病院で診察を受けた場合、両者間で診察内容や投薬に関する情報交換は行われていません。

その点、スウェーデンでは国民全員に、日本の住民基本台帳の登録に似た国民番号がありますから、国民一人ひとりの様々な情報が国によって管理されており、必要に応じて厳重なセキュリティーのもとで交換されています。
国民番号は、10桁の数字からなっています。最初の6桁は生年月日であり、次の4桁はシステム番号です。そのシステム番号4桁の3番目の数字は性別を表しており、奇数は男性、偶数は女性です。最後の数字は、国税庁のコントロール番号です。また、普通10桁の数字の6桁の数字と、次の4桁の数字は−(ハイフン)で結ばれていますが、100歳を超えた場合は、+(プラス)記号となります。

今や個人番号なしでは、スウェーデンの日常生活は成り立たないといっても過言ではありません。この番号は、すべての公文書は当然のことながら、会社や銀行取引、その他の各種申請時にも活用されるとても重要な番号です。旅券、IDカード、保険、病院の診察から入院などすべての登録手続きに活用されています。その代わり、各個人の情報は厳重に管理されています。たとえば、警察では、刑事犯罪および免許証の有無、自動車の登録、保険などに関する内容は確認することができますが、病院で必要とされる医療関係の記録などについては確認することが出来ません。

スウェーデンでは、国民番号がないと地域診療所で受診することも出来ませんし、就職時は当然のことながら、クレジットカード、保育所、入学、免許証の申請など、すべての業務手続が不可能となるのです。日本と違い、国民の登録制度に対する信頼度は、とても高いものとなっています。

認知症高齢者の介護問題についても、この国民番号で地域の福祉課は必要な情報を把握しているため、各種の援助、補助器具の提供、経済的支援、施設入居に関する手続きなど、貧富の差に関係なく平等に対応できています。
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スウェーデンからの便り No.2 2008.05.14
 スウェーデンの高齢者福祉は、国またはコミューン(日本の市町村に当たります)が、担当をすることになっています。国は医療に関しての責務があり、コミューンは退院後または日常の高齢者福祉の介護の責務があります。現在では、経費節約から政治的には福祉の選択の自由を宣伝しながら、本来のコミューンの責務から逃れることのできる民営化委託を勧めています。

 民営化委託に応募した福祉企業も、当初の予想通りに利益を上げることが困難とわかり、ここ数年人員整理に努め、人件費節約を強行に進めてきました。その結果介護職員の負担は増加し、各種の介護問題が各地の施設で発生しています。またある地域では民営委託を受けたホームヘルパーの会社は利益向上があまり芳しくなく、脱税行為をしていることが暴露された会社もあります。その結果民営委託を廃止している地区もあります。こうした経過をたどりつつも、現在の基本ともいえる高齢者福祉のシステムを1990年代に確立したことは、日本の政府も大いに学ぶ点がたくさんあると思います。

 1990年代に比較して、現在高齢者福祉は悪化してはいますが、一部の施設では社会庁が規定する基準を守り、高齢者の介護に努力している良い施設も多くあります。これらのシステムは、残念ながら日本が追いつくには、政治家たちの高齢者福祉に対する考え方を、根本から改善する必要があるのではないかと思います。特に認知症を抱える家族への援助、施設の増設、入居規定、入居システムの改善、認知症介護認定の改善、認知症専門医の増設、介護職員の社会的地位の向上など多くの分野に渡り、全国統一システムの施行などが必要と思われます。

 スウェーデンでは、認知症を抱える家族は、コミューンの高齢者福祉課に相談をすることも出来るし、地域診療所から認知症専門医の処方を受け受診も出来ます。日本では市町村の高齢者福祉担当職員は専門知識乏しく、相談相手としても十分に頼りにはならないことも多くの家族から聞いております。その一番の原因は、日本の公務員定期異動システムです。新任の職員がようやく知識を得て、活動できる頃に定期異動という名目で他の職場に移動させられます。これは知識者の資源の損失でしかありません。スウェーデンはそうした定期異動システムはなく、看護教育や社会福祉の教育を受けている、長年のベテランが同じ高齢者福祉課に勤務しています。そのため自分の担当する地区の高齢者福祉の実情や、必要性を明確に把握していますから、政治家たちへの具体策案の提供もしています。例えば認知症介護についても、とても詳しい知識を持っており、適切なアドバイスや手続きしてくれますから、認知症を抱える家族にはとても頼りになります。
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スウェーデンからの便り 2008.01.10
 厚生労働省による「高齢者白書」の報告を読むまでもなく、わが国の高齢者数は、今後更に増加すると推測されています。しかし、それに伴い改定された介護保険制度では、高齢者、特に認知症を抱える家族への国からの援助は、十分期待できるものではありません。

 現在、介護者の2人に1人は60歳以上であり、2010年には要介護の認知症高齢者は200万人になると予想されています。ですが、それを受け入れられる高齢者施設は十分ではなく、当然、家族への介護負担は、増加の一途をたどることになります。厚生労働省の調査によると、要介護者に対して憎しみを感じた介護者の割合は3人に1人であり、また、虐待したことのある介護者は2人に1人だと報告されています。認知症に対する介護負担は、いかに心身両面へ大きな影響を与えるのか、そして、家族介護にも限度があるということを正しく理解することが大切なのです。

 厚生労働省は、介護保険制度について「利用しやすく公平で効率的な社会的支援システムを構築するもの」と明記していますが、現実とは大きくかけ離れたものになっている様に感じます。そのため、家族破壊の問題や、老々介護の末、認知症介護に限界を感じ殺人や自殺行為にまで発展している現状を耳にすることも珍しくありません。しかし、そうした苦しい現実の中で、肉親(家族)の介護をしている多くの人が、このサイトを心のよりどころとしてお互いにアドバイスをし、慰め、励まし合っています。私自身の介護福祉の経験や、スウェーデンをはじめとする北欧の福祉・介護情報の提供なども、皆様のお役に立つことができればと思っています。

 認知症に対するスウェーデンの国民理解は、日本と比べとても高いものです。これは,社会庁及びマスコミによる効果もありますが、「認知症を抱える家族の会」などの努力も大きいといえます。家族の会では、認知症高齢者を抱える家族へのセミナーや相談、資料提供など活発に活動を行っています。しかし、認知症を日本のように恥ずかしいと感じたり、隠すようなことはほとんどありません。地域全体で積極的に受け入れているのです。
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