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認知症の症状・病状・メカニズム
5. 認知症の治療 (1)治療
認知症の治療にはどんな方法があるの?
向精神薬が効果を発揮するのはどんな症状?

認知症の治療
現状では、認知症に極めて有効と思われる医学的治療法はなく、治療より介護が中心になります。

ただ、医療で介護負担を軽減させることは可能で、医療と介護を切り離しては認知症のケアはうまくいきません。福祉と医療は車の両輪なのです。
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治療可能な認知症

認知症の疾患により 治療可能なもの、予防が重要なもの、治療不可能なものがあります。

治療可能な認知症
外科的疾患:慢性硬膜下血腫・脳腫瘍・正常圧水頭症
内科的疾患:甲状腺機能低下症、代謝性疾患:ビタミン欠乏症、感染・炎症性疾患:脳炎、髄膜炎

予防可能な認知症
脳血管性認知症の治療などの薬物があります。これらの薬物療法は多種類の薬を長期・漫然と使うので


主な認知症の治療法は下記のとおりです。

脳血管性認知症は大脳の髄質に小さな脳梗塞ないし脳出血が多発する病気ですから、脳梗塞や脳出血への治療が認知症の治療にも結びつきます。

  1. 脳血管性認知症に極めて有効といえる薬物はまだ開発されていませんが、幾分かは有効と思われる脳血流改善薬、脳血管拡張薬、脳代謝賦活薬などの薬物があります。これらの薬物治療は多種類の薬を長期・漫然と使うのでなく、一種類ずつ使用しその効果を評価しながら使用されます。

  2. 脳梗塞や脳出血の原因には必ず脳の動脈硬化や高血圧が存在します。さらに、動脈硬化や高血圧の裏には、高脂血症、糖尿病、心臓病、腎臓病などのいわゆる成人病ないし生活習慣病があります。

    脳血管性認知症の予防には、成人病ないし生活習慣病の予防同様にバランスの取れた食生活、適度の運動、肥満予防、飲酒や喫煙の抑制、精神的ストレスの緩和などが重要です。

  3. 脳血管性認知症では、一過性脳虚血発作が予兆として現れます。これらに対する薬物としては、抗血小板剤や凝固予防薬が用いられます。

    また、脱水は血液を濃縮させますから、水分を多い目に摂取することも、脳梗塞発生を予防し梗塞性認知症の発生や悪化の予防になります。

MRI検査法が開発されてからは数ミリ単位の小さな脳梗塞巣なども発見できるようになっています。CTやMRIにより皮質化病変を検出することに加え、SPECT・PETをもちいて 大脳皮質の血流・代謝がわかるようになっています。

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向精神薬による治療
現在の医学では 発症を抑えることや中核症状に対する薬剤はまだ ありません

認知症の進行を抑える薬として、ドネペジルがあります
周辺症状、BPSDといわれる不眠、不穏、興奮、失禁、弄便、徘徊、大声…などがしばしば起きます。これらに対して向精神薬がよく使われます。

しかしながら、前記したとおり、BPSDはその原因をつきとめて解消できる部分がほとんどで、安易に薬物による治療は避けるべきだと考えます。

かといって、全て介護で対応できるものではありませんので、治療すべき症状は何なのかを見極めたうえで、その症状に適した薬物を使用し、その経過をきちんと把握する必要があります。薬物には必ず副作用がありますから、使用した場合はその経過と状況をきちんと把握しておく必要があります。

一般的に、向精神薬が効果を発揮するのは次のような症状です。

(1) 幻覚や妄想
(2) 激しい興奮状態や錯乱状態、不安、焦燥感
(3) うつ状態

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認知症の対処療法

身体要因の対処療法

  1. 多くの高齢者は何らかの病気を抱えているものです。そして、その病気が悪化すると簡単に精神症状が現れてしまいます(心身相関)。

    対処療法としては、その病気自体の治療を行うことが優先されますが、ここで、身体医療各科と精神化の協調が期待されます。

    認知症になると、自らの身体の管理ができなくなっていきますので、ケアとしては、バランスのとれた食事を提供することと、適量の水分を与えることがまず前提となります。これらが不足する場合には、アミノ酸を含んだ点滴注射などが必要になります。

  2. 高齢者は典型的症状が出にくいという特徴があります。急性肺炎や腹痛、呼吸困難、心筋梗塞などでも、当初は症状がでずに認知症が急速に悪化したような外観を呈することがあります。

    これらを察知し身体的、内科的治療を行うことで精神症状が落ち着いてきます。

  3. 高齢者は、高血圧や糖尿病、心不全、肺気腫、・・・等の慢性疾患を多く抱えているものです。これらの慢性疾患を改善させることで、精神的に安定したり精神活動が活発になることがしばしばあります。
認知症は脳の問題と考えるだけでなく、常に身体の状態を観察してその健康を守ることが精神症状の改善に結びつきます。
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心理要因(廃用性)の対処療法

認知症になった人が生きいきとした生活を送ることで、廃用性要因を防ぐことができます。

  1. 認知症高齢者のリハビリテーションやレクリエーションの基本は、残存機能に働きかけ、精神機能を刺激し生活にうまく適応できるようにすることと、いろいろな活動を通して、人間関係を促し、情緒の安定と人間性や社会性の回復を図ることです。

    通常高齢者のリハビリテーションは、食事や排泄などの日常生活指導、掃除や洗濯・炊事といった作業療法、ゲームや遊戯・絵画などのレクリエーション療法の3つに大別されます。

    認知症では新しいことを覚えたり習得することはできませんから、若いときに覚えたり習ったことを行うことが基本となります。

  2. 認知症では、今日の日付や今の季節、今いる場所などの見当識が曖昧になっていきます。それを強化しようというのが、リアリティオリエンテーションです。

    スタッフと高齢者がグループになり、今日の出来事や気候などの現実の世界について話し合い、見当識の強化を行います。

  3. 認知症高齢者は今のことは忘れても、過去のことはよく覚えています。回想法では過去の記憶を蘇らせ、それによって情緒の安定と意欲の向上、集中力の強化、人間関係の増大などを図っていこうとするものです。

    5〜8人のグループで子供の頃の遊びだとか、昔の行事や生活ぶりなどをテーマに話ながら過去を回想します。
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