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認知症の現状と将来推定
物忘れと認知症の違い
1.物忘れと認知症の違い
(1)加齢の物忘れ
(2)治る認知症
(3)ストレスによる認知症
2.軽度認知症(MCI)
(1)MCIの説明
(2)認知症予防
認知症の症状・病状・メカニズム

物忘れと認知症の違い1.物忘れと認知症の違い

「物忘れ」とは、「人の精神活動が普段の状態と多少異なっていたり、幾分衰えていたりする状態」であり、認知症」は、「一旦発達した知能が、何らかの原因により脳が破壊され、再び持続的に低下した状態」と定義されています。
記憶力は、20歳代をピークに、加齢とともに減退します。これが知能の老化の始まりといってよいのかもしれませんが、記憶力以外の能力は、さまざまな日常の体験から積み重なれ、知能全体では50歳ごろまで伸び続けます。

しかし60歳ごろになると記憶力をはじめ知能の周辺機能にも衰えがみられるようになり、判断力や適応力が衰え、知能の老化が始まります。歳をとればだれでも記憶力が低下します。

そして65歳ぐらいを過ぎるとますます物忘れが多くなりますが、この物忘れは良性の健忘で、認知症の物忘れは、さまざまな知能の障害を伴い、そして日常生活に混乱を来たし、進行していくものです。
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(1)加齢の物忘れ

「2階に行ったら何を取りに来たかわからなくなってしまった」など会話の中でよく聞かれることです。歳をとればだれでも記憶力が低下してきます。

加齢とともに生理的な物忘れの頻度は多くなりますが、認知症の物忘れには発展しません。

すなわち、いま食べたことも忘れてしまう。自分の家族を忘れてしまうなどは決してないのです。

たとえば、友人と会う時間や場所を忘れてしまった。顔は知っているのに名前が思い出せないなど、記憶の一部だけを忘れているのが、加齢による正常な物忘れです。
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(2)治る認知症

さまざまな病気が「治る認知症」の原因になります。そのなかでもっとも多いのがせん妄で、夜中に突然起きておかしな行動をとります。

しかし翌朝はそのことをまったく覚えていません。このせん妄の原因として多く見られるのが脱水症です。高齢者は、喉がかわいても、水を飲むと身体によくないとか、おしっこが近くなるからといって水分をとらないことが多くなります。水分をちゃんと補充するだけでせん妄が改善され、それに伴う認知症に似た症状が改善されます。

また、高血圧や心臓病、糖尿病などで血圧が急に上昇したり、血糖値が高くなると、脳が急激に侵襲されるためにせん妄を来し、認知症の症状になったりします。 さらに、高齢者の多くは薬物を服用している場合があり、幻覚や妄想、興奮、不安や奇妙な行動が出現した場合は、薬の副作用を考えます。

このような身体疾患の悪化や薬の副作用により出現した認知症に似た症状は、原因を早期に見極め対策をたてれば症状は改善されます。早期に専門医に相談をしてください。
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(3)ストレスによる認知症

ストレスが原因で身体にさまざまな病気をもたらすことはよくいわれることですが、私たちの周りにはさまざまなストレスが存在しています。

強いストレスが続くと脳組織の再生が困惑してしまいます。ぼけをもたらすストレスとは、「老い」そのものです。

歳を取るということは、老いに伴って、社会や家庭での役割を失い、また友人や配偶者の死と遭遇し、多くのものが自分の周りから失われていきます。さまざまな生活上の喪失体験や身体の衰えがストレスとなり、高齢者の精神障害に繋がっています。

その中でも多いのが老年性うつ病で「死にたい」などといい、不安やイライラが強くなり、正常な記憶や思考ができなくなり、認知症に似た症状がでてきます。

これらは環境を変えたり、抗うつ剤などで改善される場合もありますが、認知症の両方の治療が必要です。
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