せん妄と並んで認知症と誤診されやすいのが「うつ病」です。
「うつ病」は次のような症状が起こります。
(1) 感情面の症状
悲哀、気の沈み、厭世、卑下、罪過、心気、自己非難など
(2) 意欲と行動面の症状
決断と実行の抑制ないし不能
(3) 思考面の症状
思考抑制、絶望、自殺念慮、妄想
(4) 身体症状
不眠、頭重、食欲低下、吐き気、肩こり、背痛、腰痛、など
(5) 日内変動
朝方から午前中の不調、不快感
高齢者のうつ病は、その他の年齢層のうつ病と違い、
- 不安・焦燥感が強い
- 制止症状が強い
- 妄想を形成しやすい
- 遷延しやすい
- 認知症と誤診されやすい
といった特徴があります。
うつ病の本態はまだ解明されていませんが、神経細胞を働かせるための化学物質が脳の中に不足した状態と言えます。したがって、治療は不足している化学物質を薬で補えばよいことになり、うつ病は薬によく反応する病気ですので、早期発見、早期治療が大切になります。
また、うつ病のお世話の原則は「安静」と「休養」です。うつ状態になると、一般的には励ましたり気晴らしを進めたくなりますが、うつ病では励ますことは絶対してはならないことです。とにかくゆっくり休養をとらせることがお世話の基本です。
うつ病で最も危険な行為は「自殺」です。そのリスクが常に付きまとうと考えるべきです。自殺をする人は、必ず何か前触れを示しますので、そのそぶりを事前に察知し、周囲の人が注意深く見守りお話を聞いてあげるようにしましょう。
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